目を合わせるということ - モモコグミカンパニー

目を合わせるということ

目を合わせるということ

ここ何年も自分から新しいアーティストや音楽を探求する事ってすっかりなくなってしまったのですが、小学校低学年のむすこが観てるアニメのOP/EDをきっかけにそのアーティストに親がハマる、というケースが増えてます。spotifyでむすこ用のプレイリストを作っていて観ているアニメの曲を次々に追加してあげているのですが、アニメの主題歌っておもしろい曲が多くて、どんな人たちが歌ってるんだろうと掘り下げていつの間にか親がハマっているのです。

BiSHもヘボット(*1)というちょっとイっちゃってるアニメのエンディングテーマをきっかけに知ったのですが、学生時代パンク漬けの毎日だったのもあってあっという間にファンになっていました。最初は楽器を持たないパンクバンドってなんだよ、バンドじゃないじゃんwwぐらいに引いてみていたのが、一時は朝から晩までBiSH聴いてしまうぐらいのめりこんでいました。

本著はそのBiSHの初期メンバーのひとり、モモコグミカンパニーが書いたエッセイで、BiSH以前からMステに出演するほどまでに有名になる過程で体験した苦悩や葛藤、そして自身の成長について書かれています。サクセスストーリーっていうのじゃなくて、有名になるにほどにつきまとう劣等感とか危機感みたいなものを正直な、かつ今どきの子っぽい言葉で語られていてとても好感のもてる文章でした。

わたしは子供の頃、芸能人の書く本っていうジャンルが結構好きでよく読んでいて自分の読書の原点の一つだったりするのですが、そういったジャンルの中では頭2つ3つ抜けてるぐらい文才もあるし、彼女が書く文芸作品だったらもっと読んでみたいと思わせる頭の良さを感じました。常々アイドルとは賞味期限の短い過酷でかわいそうな仕事だと思っていましたが、BiSHのメンバーはそういうのとは違う次元に行けるといいなと思います。

*1 ちなみにヘボットの初代ED「グーチョキパンツの正義さん」もアイドルソングとしてはかなりアレで気に入ってます。